漁業や海運などビジネス用として使用される船。
また、ビジネス用としてではなく、釣りやクルージングなど趣味のために保有しているという方もいらっしゃるかと思います。
そんな船ですが、船の船底は基本的にずっと海面に接している状態であるため、どうしても汚れが蓄積してしまいがちです。
そこで必要になってくるのが船底掃除ですが、船底の掃除はかなり大変で時間も手間もかかるため、ほとんど掃除をしていないというオーナーさんも多いのではないでしょうか?
しかし、掃除をしないと船底に蓄積してしまっている汚れを放置していると船のパフォーマンスに影響が出てしまうこともあります。
そのため、船底は定期的に掃除をおこない、汚れを取り除いてあげる必要があります。
この記事では、船のパフォーマンスを落とさないために必要な船底の掃除について詳しく解説していきます。
「船底の掃除なんて全然してないな…。」という方は、ぜひチェックしてみてください。
<目次>
船底の掃除を実施していく前に、船底にはどういった種類の汚れが付着・蓄積していくのかについて紹介していきたいと思います。
船底によく付着・蓄積する代表的なものとしては、
があげられます。
それぞれ詳しくみていきましょう。
船底に付着・蓄積する代表的なものの一つ目が、スライムです。
スライムと聞くとゲームのキャラクターをイメージしてしまうかと思いますが、船底に付着・蓄積するスライムは微生物を指す言葉です。
微生物が大量に付着し、ドロドロの膜が張られたような状態をスライム層と呼びます。
海にはたくさんの微生物が存在しているため、それらの微生物が船底に付着し、汚れとして蓄積していきます。
甲殻類であるフジツボも、船底に付着する代表的なものの一つです。
フジツボと聞くとテトラポッドなどに付着するものというイメージを持っている方も少なくないかと思いますが、フジツボは停泊している船の船底にも付着する生物です。
船を停泊している期間が長いと大量に付着することもあるため、そうなると船底の掃除がかなり大変になってしまいます。
ムラサキガイなどの貝類も船底によく付着するものの一つです。
フジツボ同様、大量に発生することもあります。
貝類は密着率が高くなってしまうことが多いので、大量に付着していると除去に手間がかかってしまいがちです。
船の船底には、アオサなどの藻類もよく付着します。
海にはたくさんの藻類が漂っていますが、それらの藻類が船底に付着し、定着してしまうわけですね。
藻類は船底の設備にからまってしまうこともある厄介な付着物でもあります。
コケ類も、船底に付着するものの一つです。
コケ類はそこまで実害をもたらすようなものではありませんが、見た目を損なってしまうので、付着してしまっている場合は除去するべきだと言えます。
船の船底に付着する代表的な5つのものについて紹介してきましたが、船底を掃除するのはかなり手間がかかるということもあって、付着していても掃除せず放置しているという方も多いのではないでしょうか?
しかし、船底の汚れを放置していると、リスクが生じてしまう可能性があります。
船底掃除が必要だと言える主な3つの理由についてみていきましょう。
フジツボなどの水棲生物が船底に付着していたり、船底の設備に藻類がからまってしまっていたりすると、船のパフォーマンスが下がってしまうことがあります。
主な症状としては、スピードが出にくくなったり、船が重くなったりというようなものがあげられます。
船のパフォーマンスが下がると燃費も悪くなってしまう傾向にあるため、そういった場合はやはり船底の掃除が必要になってくると言えるでしょう。
船にはスクリューが備わっていますが、船底に付着したアオサなどの藻類がスクリューに引き込まれてしまうことで船を故障させる原因になることがあります。
多少の藻類であれば特に問題ありませんが、量が多くなると故障を引き起こしてしまいかねません。
そのため、定期的に船底の掃除をおこない、藻類を取り除いておく必要があります。
船底に付着した汚れを長期間放置していると、船の劣化を早める原因にもなってしまいかねません。
特にコケ類やスライムは、船の表面にほどこされている塗装の塗膜を劣化させてしまう可能性があるため注意が必要です。
塗膜が劣化すると船の内部にまで影響が出てくるため、やはり定期的に掃除を実施する必要があると言えるでしょう。
船底の汚れを放置しているとさまざまなリスクが生じてしまうため、定期的に掃除をおこなう必要があります。
船底の掃除は船自体がかなり大きな乗り物であるということもあって手間はかかりますが、作業内容自体は複雑ではありません。
おこなう作業としては、付着物の除去と洗浄のみです。
まず、スクレーパーを使い、スライムやフジツボなどの付着物を綺麗に取り除いていきましょう。
付着物を取り除く場合は、船自体を傷つけないように注意してください。
付着物をある程度取り除くことができたら、高圧洗浄機を使って、船底を高圧洗浄していきます。
船底掃除の工程としては以上となります。
掃除をおこなった場合は、船底の状態を確認するようにしてください。
もし塗装が劣化しているようであれば、劣化してしまっている部分だけでも再塗装しておくようにしましょう。
掃除から塗装までおこなうとなるとかなり手間がかかりますが、船を劣化させないためなので、妥協せずに行うようにした方が良いでしょう。
船底の掃除について詳しく紹介してきましたが、船底の掃除はかなり手間がかかります。
また、掃除をおこなう対象物が大きいということもあって、一般の方がおこなうのは決して簡単ではありません。
ですので、多少費用はかかりますが、船底の掃除は専門業者に任せることを検討してみましょう。
高圧洗浄機での掃除などを専門的におこなっている専門業者に依頼することで、よりしっかりと汚れを除去できるようになるので、ぜひ検討してみてください。
また、掃除をおこなってみて必要そうであれば、船底の再塗装の依頼も検討してみてくださいね。