住宅のコンクリート部分に生える嫌な苔。
苔はカビのように人体に影響を及ぼすような悪質なものではありませんが、一ヶ所に生えるとすぐに広がってしまうため、住宅の見栄えが悪くなってしまいますし、実際の築年数よりも住宅を古く見せてしまう厄介なものです。
実際、住宅のコンクリート部分に苔が生えてしまい、頭を悩ませてしまっている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、住宅のコンクリート部分に苔が生えてしまった場合の対処法について詳しく解説していきたいと思います。
コンクリートに生える苔の種類や苔が生えてしまう理由などについて解説していきながら、苔の落とし方や苔が生えるのを防ぐ方法について解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
<目次>
よほど苔に詳しい方でない限り知らないと思いますが、コンクリートに生える苔には大きく分けて2種類の苔があります。
それが、「ギンゴケ」と「スナゴケ」です。
「ギンゴケ」は、私たちが最もよく目にするタイプの苔でさまざまなところに発生しますが、住宅ではコンクリート部分に発生しやすくなっています。
「スナゴケ」は、ギンゴケほどメジャーではありませんが、こちらも住宅のコンクリート部分によく生えるタイプの苔です。
住宅のコンクリート部分に発生する苔は、基本的にこの2種類が発生します。
コンクリートは、外壁塗装などによってコンクリートの表面に塗膜がはられているため、苔が生えてしまうことはほとんどありません。
しかし、塗膜は年々劣化していってしまいます。
劣化すると苔の発生を防ぐ力が弱まってきてしまうため、風に乗って運ばれてきた苔の胞子がコンクリートに付着し、苔が定着・増殖してしまうようになります。
コンクリートが劣化すると苔が生えやすくなると紹介してきましたが、同じ年数が経過しているコンクリートでも、苔の生えている部分とほとんど生えていない部分があるかと思います。
これは、苔が生えやすい場所かどうかの違いによるものです。
苔が生えてしまいやすい場所・環境としては、以下のようなものがあげられます。
これらの条件に当てはまる場合、苔が生え、定着しやすくなってしまっていると言えます。
苔は、ジメジメとしている場所や環境を好むという性質があるので、そういった場所にあるコンクリートには注意が必要です。
また、コンクリートの表面に凹凸があると水滴が溜まりやすくなりますし、水分が蒸発してしまいにくくなります。
そのため、こういったコンクリートも苔が生えやすくなってしまっています。
コンクリートの壁に苔が映えると一気に見た目が悪くなってしまうため放置するべきではありませんが、苔を放置するべきではない理由は他にもあります。
コンクリートに生えてきた苔を放置するべきでない大きな理由の一つが、コンクリートの劣化です。
苔が生えてしまったコンクリートは、通常のコンクリートよりも早く劣化してしまうようになります。
コンクリートが劣化してしまうと大規模な修繕が必要になってくる可能性があるため、莫大な費用をかけてリフォームを実施しなくてはいけなくなってしまいかねません。
また、苔は繁殖力が強く、コンクリートの一部に生えた苔を放置しているとすぐに色々な場所に広がってしまうため、やはり早急に対応して除去するべきだと言えるでしょう。
コンクリートに生えた苔は放置しているとコンクリートを劣化させてしまう可能性があるため、苔が生えているのを見つけたら早急に除去するべきだと紹介してきました。
そこでここからは、コンクリートに生えた苔の落とし方について紹介していきたいと思います。
ここでは、4つの方法を紹介していくので、対応しやすそうな方法を試してみてください。
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コンクリートに生えてしまった苔を落とす方法として最も簡単におこなえるのが、住宅用の洗剤を使って落とす方法です。
住宅用の洗剤というのは、お風呂を洗う洗剤やトイレを洗う洗剤のような一般的な洗剤です。
やり方は簡単で、以下のような手順で落としていくだけです。
あまり強くこすりすぎてしまうとコンクリートに細かな傷がつき、そこから劣化していってしまうので、力を入れすぎないようにしましょう。
また、硬いスポンジではなく柔らかいタイプのスポンジを使用するようにしてください。
あまり強くこすりすぎてしまうとコンクリートに細かな傷がつき、そこから劣化していってしまうので、力を入れすぎないようにしましょう。
また、硬いスポンジではなく柔らかいタイプのスポンジを使用するようにしてください。
生え始めたばかりの苔であれば住宅用の洗剤でも落とすことができますが、定着し始めている苔だと簡単に落とすことができにくくなります。
そのような場合は、カビキラーなどのカビ取り剤を活用する方法を試してみましょう。
カビ取り剤は一般的な住宅用洗剤よりも洗浄力が高いので、定着し始めている苔にも効果を発揮してくれます。
具体的なやり方は、カビに対して使用するときと変わりません。
上記の手順を実践するだけです。
これである程度頑固な苔も落とせるようになります。
ただ、カビ取り剤は危険な洗剤なので、手袋やゴーグルを着用してから使用するようにしましょう。
住宅のコンクリート部分に生えてしまった苔を落とす方法の一つが、苔の駆除剤を使って駆除する方法です。
苔には専用の駆除剤があり、そういった駆除剤を使えば割と簡単にコンクリートから苔を除去することができます。
苔の駆除剤はホームセンターにいけば簡単に入手することができますし、およそ2L 10,000円ほどで購入できます。
駆除剤を使えば苔を根っこから駆除することができるので、苔が発生しにくくもなります。
使い方は駆除剤によって異なりますが、塗布してそのまま放置しておくだけで苔を駆除できるタイプのものが多くなっています。
住宅のコンクリート部分に生えてしまった苔を落とす方法は、高圧洗浄機を使って除去する方法です。
高圧洗浄機を所有しているのであれば、いつでも自分の手でコンクリートの苔を落とすことができます。
高圧洗浄機は、水を高圧で噴射する機械で、高圧で噴射される水を苔が生えてしまっている部分に噴射することで苔を除去することができます。
高圧洗浄機はプロも使用するほど洗浄力が高いため、苔をしっかりと除去したいときに使用したいアイテムです。
ただ、高圧洗浄機の値段は高いので、新しく購入するぐらいであれば、駆除剤を購入して対応する方法の方がコストを抑えながらコンクリートから苔を落とすことが可能です。
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コンクリートに生えた苔を落とす方法についてネットで調べていると「苔に熱湯をかけて落とす方法」が紹介されているのを見かけることがあるかと思います。
ただ、この方法はあまり実践しない方が良い方法です。
なぜなら、高温のお湯をコンクリートにかけてしまうとコンクリートを劣化させてしまう可能性があるからです。
例えば、コンクリートに対して塗装がおこなわれている場合、お湯をかけることで塗膜を剥がしてしまう可能性がありますが、塗膜が剥がれると雨漏りが発生する原因になってしまいかねません。
そして何より、熱湯にはコンクリートの苔を除去する機能はないので、あえて用いる必要はありません。
先ほど紹介した4つの方法のうちのいずれかで対応するようにしてください。
住宅のコンクリート部分に苔が生えてしまった場合の対策方法について紹介してきましたが、生えてきてしまった苔を除去することができたとしても、予防しておかないと苔はまたすぐに生えてきてしまいます。
そのため、苔が生えてしまうのを防ぐ方法についても知っておくことが大切です。
苔が生えてしまうのを防ぐには、住宅のコンクリート部分をしっかりと乾燥させるのが一番ですが、建物の構造上、完璧に乾燥させるのが難しい部分も出てきてしまうかと思います。
特に日が当たりにくくなってしまっている場所だと乾燥させるのは非常に難しくなってきてしまいます。
ですので、苔が生えてしまうのを予防する機能性をもった塗料で塗装をおこなうようにしましょう。
外壁の塗装に使用される塗料の中には、汚れや苔などが発生するのを防いでくれるタイプの塗料があります。
これらの塗料を苔が生えてしまいやすいコンクリート部分に塗っておくことで、苔の発生を予防できるようになりますよ。
今回紹介した方法で苔の除去に挑戦してみても苔を落とすことができない場合は、苔取りの専門業者に相談するようにしましょう。
住宅に生えてしまう苔やカビなどをしっかりと落としてくれるその道のプロがいるので、そういった業者に依頼し、しっかりと苔を落としてもらいましょう。
そういった業者に依頼すれば、落とすのが困難な苔でもしっかりと落としてもらうことができますし、苔を根本から綺麗に除去することができますよ。
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コンクリート(公益財団法人日本コンクリート工学会)